夏土用は、文具を整える期間。~昔ながらの「虫干し」で、お気に入りの文具と心をリフレッシュ~

夏土用は、文具を整える期間。~昔ながらの「虫干し」で、お気に入りの文具と心をリフレッシュ~

夏土用と聞くと、「土用の丑の日」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。2026年の夏土用は7月20日(日)~8月6日(木)(立秋前日まで)です。土用は季節の変わり目を表す期間のため、毎年日程が異なります。

実は、夏土用にはもう一つ、昔から受け継がれてきた風習があります。それが「土用の虫干し」です。

梅雨が明け、本格的な夏を迎えるこの時期。昔の人々は、晴れた日を選んで蔵にしまっていた着物や書物、掛け軸、和紙などを外へ出し、風に当てて湿気を逃していました。
日本には四季があり、特に梅雨は湿気が高くなります。湿気はカビやシミ、紙の劣化、虫食いなどの原因になるため、大切なものを長く使い続けるための知恵として「虫干し」が暮らしの中に根付いてきました。
現代ではエアコンや除湿機が普及しましたが、「時々取り出して状態を確認し、風を通す」という考え方は今も変わりません。そして、この昔ながらの知恵は、実は文具にもぴったりなのです。

創業1930年、大阪・高槻で文具専門店を営む文具クワウチでは、「書き記したくなる日常がつづく」をコンセプトに、万年筆やノート・インク・紙製品など、毎日の暮らしに寄り添う文具をご提案しています。

目次

  1. 夏土用と「虫干し」の関係
  2. 文具も湿気が苦手。夏土用に見直したい保管方法とお手入れ
  3. 今日からできる「文具の虫干し」
  4. 万年筆も夏土用にリフレッシュ
  5. 文具を整えることは、「書く暮らし」を整えること

1.夏土用と「虫干し」の関係

「土用」とは、季節の変わり目を表す期間のこと。春・夏・秋・冬それぞれにありますが、夏土用は一年の中でも特に湿気が残りやすい梅雨明けの時期にあたるため、「虫干し」を行うのに最適とされてきました。
虫干しとは、本や書類、着物、和紙などを風通しの良い場所に広げ、湿気を取り除くことです。単にカビやっ虫食いを防ぐだけでなく、大切なものを一つひとつ手に取り、状態を確認する時間でもあります。
昔の人にとって虫干しは、「物を大切にする時間」であり、「暮らしを整える時間」でもありました。

2.文具も湿気が苦手。夏土用に見直したい保管方法とお手入れ

文具には、紙や革、木など自然素材を使ったものが数多くあります。
例えば、

  • ノートや便箋が湿気で波打つ
  • レターセットに湿気がこもる
  • 革製ペンケースやブックカバーが傷みやすくなる
  • 万年筆のインクが乾燥・固着する。
  • 長期間しまったままの文具に埃がたまる

といったことが起こることもあります。
もちろん、すぐに傷んでしまうわけではありません。
しかし、季節の節目に引き出しを開け、状態を確認することは、お気に入りの文具を長く愛用するための大切な習慣です。
普段使っている文具だけでなく、「いつか使おう」と大切にしまっているノートや便箋、レターセットなども、この機会に取り出してみてはいかがでしょうか。

3.今日からできる「文具の虫干し」

虫干といっても、と口説な準備は必要ありません。
晴れた日に、文具を風通しの良い日陰へしばらく出すだけで十分です。
この機会に、引き出しの中のノートや便箋を整理したり、レターセットを見直したりしてみましょう。また、アルバムや大切に保管している紙ものの状態を確認したり、インクの残量や色をチェックしたりするのもおすすめです。革製のペンケースやブックカバーは中身を取り出して風を通すことで、湿気がこもりにくくなります。
引き出しの奥から「こんなノート買っていたんだ。」「この便箋で手紙を書こうを思っていたな。」そんな新しい発見があるかもしれません。文具を整理する時間は、単んに片付けをする時間ではありません。これまでの思い出を振り返り、これからどんなことを書き残していこうかと考える、「書く時間」と向き合うひとときにもなります。

本の虫干し

4.万年筆も夏土用にリフレッシュ

夏土用は、万年筆のお手入れにもぴったりの季節です。
しばらく使っていない万年筆は、インクが乾いていたり、ペン先にインクが残っていたりすることがあります。
この機会に一度洗浄しておくことで、次に使うときも気持ちよく書き始めることができます。「万年筆の洗い方がわからない」「初めてなので少し不安」という方には、こちらの記事もぜひご覧ください。

初心者でも簡単にできる万年筆のお手入れ洗浄方法と長持ちさせるコツ
写真付きで、初めての方にもわかりやすくご紹介しています。
また、定期的なお手入れにはPILOT万年筆クリーニングセットがおすすめです。
コンバーターだけでは落としにくいインク汚れも洗浄しやすく、大切な万年筆より良い状態で長くお使いいただけます。

万年筆お手入れの様子

PILOT 万年筆クリーニングセットはこちら

5.文具を整えることは、「書く暮らし」を整えること

文具を整える時間は、単なる片づけではありません。
お気に入りの万年筆に新しいインクを入れる。
新しいノートを開く。
久しぶりに誰かへ手紙を書いてみる。
そんな小さなきっかけが、書くこと」の楽しさを思い出させてくれます。
昔の人が季節の節目に虫食いをしていたように、私たちも文具と向き合う時間をつくることで、暮らしを少し整えることができるのかもしれません。
夏土用は、お気に入りの文具に風を通し、これから迎える季節への準備を始めるのにぴったりのタイミングです。
ぜひ今年の夏土用は、引き出しを開け、お気に入りの文具とゆっくり向き合ってみてください。

文具クワウチでは、万年筆のお手入れやインク選び、紙との組み合わせなどのご相談も承っています。
「書き記したくなる日常」が、これからも心地よく続いていきますように。

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【店舗情報】
執筆者:文具クワウチ 桑内 彩
大阪府高槻市高槻町15-24 / JR高槻駅・阪急高槻市駅の間)
昭和5年創業。高槻センター街で文具専門店として、手書きの道具や紙を通して「心を届ける時間」を提案しています。
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