はがきを送る理由とは?暑中はがきの選び方と文字が綺麗に見える文房具の選び方を解説します。

はがきを送る理由とは?暑中はがきの選び方と文字が綺麗に見える文房具の選び方を解説します。

暑中見舞いや残暑見舞いを書く季節になると、日本にはなんて美しい文化が残されているのだろうと感じます。
相手の健康を気遣い、季節の便りを届ける暑中はがき。
メールやSNSが主流となった今でも、手書きのはがきを受け取るとどこかうれしく、温かな気持ちになるものです。

私は行事食について学ぶ機会をいただいたことで、日本の伝統文化には共通する「季節を大切にする心」が流れていることに気づきました。
行事食も、手紙文化も、その根底にあるのは相手を思いやる気持ちです。
今回は、行事食から七夕、梶の葉、そして手紙文化へと続く流れをたどりながら、暑中見舞いの魅力についてお話したいと思います。

・行事食とは、季節ごとの行事やお祝いの日に食べる特別な料理のこと。
参考元:農林水産省「行事食について」より

目次

1.暑中はがきとは

2.行事食に学ぶ日本人の手紙文化

3.七夕と梶の葉が教えてくれること

4.手紙文化から暑中見舞いへ

5.手書きで思いを届けるということ

6.文字がきれいに見える筆記具選び

1.暑中はがきとは

暑中はがきとは、暑中見舞いや残暑見舞いなど、季節の挨拶をはがきで送る文化のことです。
暑中見舞いは梅雨明け頃から立秋前まで、立秋を過ぎると残暑見舞いとして送るのが一般的です。2026年は7月7日(小暑)~8月6日(立秋前日)までとなります。
暑中はがきを送る目的は、1年で最も暑い時期に相手の健康を気遣い、自分の近況を伝えること。
現代ではスマートフォンひとつで瞬時に連絡が取れますが、わざわざハガキを選び、言葉を考え、一文字ずつ書く時間には特別な意味があります。
暑中はがきは単なる挨拶状ではなく、人を想う気持ちを形にした日本の文化なのです。
参照元:郵政博物館

<暑中見舞いと残暑見舞いの違い>
暑中見舞いは、暑さが厳しくなるころに送る季節の挨拶です。

送る時期の違い

 種類 送る時期の目安 意味
暑中見舞い

小暑(7月7日頃)~
立秋前日(8月6日頃)

暑さの盛りに相手の健康を気遣う挨拶
残暑見舞い 立秋(8月7日頃)以降~
8月末頃
秋になっても続く暑さをお見舞いする挨拶

 

暑中見舞い・残暑見舞いの基本構成

 構成 内容 例文
1.季節の挨拶 はがきの主題を書く 「暑中お見舞い申し上げます」
「残暑お見舞い申し上げます」
2.相手を気遣う言葉 健康や暮らしへの
気遣いを伝える
「厳しい暑さが続いておりますが、
お変わりなくお過ごしでしょうか。」
3.自身の近況報告 自分の近況を簡潔に
伝える
「おかげさまで元気に過ごしております。」
4.結びの言葉 相手の健康や活躍を
願って締めくくる
「どうぞご自愛ください。」
5.日付 季節感のある書き方
で記載する
「令和八年 盛夏」「令和八年 晩夏」

 

2.行事食に学ぶ日本の手紙文化

私は一般社団法人行事食協会で日本の行事食や歳時記について学ぶ機会をいただきました。
その中で印象的だったのは、日本人が古くから季節の節目を大切にし、食や行事を通じて人とのつながりを育んできたことです。そして、行事食と手紙文化には「相手の幸せや健康を願う」という共通の聖心があることに気づきました。

春のお彼岸には「ぼたもち」
端午の節供には「粽」や「柏餅」。

こちらの行事食には、それぞれえ健康や無病息災、家族の幸せを願う意味が込められています。ただ食べるための料理ではなく、季節を感じ、人を想い、感謝を表すための食文化なのです。
そしてその心は手紙文化にも通じています。
相手の健康を願う暑中見舞いもまた、日本人が育んできた「季節を通じて人を思いやる文化」のひとつなのです。

3.七夕の梶の葉が教えてくれること

行事食と手紙文化を結ぶ大切な行事が五節供の一つ、七夕です。
現在では短冊に願い事を書くのが一般的ですが、平安時代には梶の葉(かじのは)に和歌や願い事を書いていたと伝えられています。
人々は神聖な木とされた梶の葉に文字をしたため、学問や芸事の上達を願いました。
七夕そうめんをいただきながら季節を感じる文化と、梶の葉に願いを書く文化。
どちらも自然とともに暮らしてきた日本人らしい風習です。
私が行事食を学ぶ中で感じたのは、食も文字も本来は「願いを託すもの」だったということです。

健康を願い、食をいただく。
幸せを願い、文字を書く。
そのどちらにも、人を想う心が込められていました。

4.手紙文化から暑中見舞いへ

梶の葉に文字を書く風習は、やがて和歌や書状へと発展していきます。
平安時代には和歌を送りあい、江戸時代には庶民の間にも手紙文化が広がりました。
そして現代の年賀状や暑中見舞いへと受け継がれていきます。
暑中見舞いは、単なる形式的な挨拶ではありません。
「暑さの中、お変わりありませんか」
その一言には、相手の健康や暮らしを気遣う気持ちが込められています。
これは七夕の梶の葉に願いを書いた昔の人々の心と、どこか重なるように感じます。
文字に想いを託し、人へ届ける。
日本人は千年以上もの間、その文化を受け継いできたのです。

5.手書きで想いを届けるということ

暑中はがきを筆耕士が書きました。

手書きの文字には、その人らしさが表れます。
文字の大きさや筆圧、行間の取り方など、一つ一つに個性があり、同じ文章でも手書きになるだけで印象が大きく変わります。
近年ではパソコンで作成した挨拶状も増えていますが、手書きのはがきには機械では表現できない温かみがあります。
特に、

  • 久しぶりに連絡を取る相手
  • お世話になった恩師
  • 大切な取引先

などへ送る場合、手書きの一言が添えられているだけで受け取る側の印象は大きく変わります。また書く時間そのものも大切です。
相手の顔を思い浮かべながら言葉を選び、一文字ずつ丁寧に綴ることで、自分自身も人とのつながりの大切さを再認識できます。
お気に入りの万年筆やガラスペン、筆ペンを手に取る時間もまた豊かなひとときです。
文具は単なる道具ではなく、想いを届けるための大切なパートナーです。
手書き文化が薄れつつあつ時代だからこそ、かの価値はむしろ高まっているのかもしれません。
今年の夏は、季節の行事に想いを馳せながら、一枚のはがきを書いてみてはいかがでしょうか。そこには、七夕の梶の葉から続く日本人のやさしさと美意識が息づいているはずです。

<筆耕士が教える宛名の書き方についてはこちら>

6.文字がきれいに見える筆記具選び

  • 宛名書き

宛名書きは「きれいな文字を書こう」と意識しすぎると、かえって筆が思うように動かないことがあります。そんな方におすすめなのが、呉竹「速乾筆ペン 二本立かぶら」です。
この筆ペンは太字と細字の2種類の穂先が1本になっているため、宛名は太字、住所や差出人は細字と、用途に合わせて書き分けることができます。
また穂先に適度なコシがあり、初心者でも線が安定しやすいのが特徴です。
さらに、速乾性のある水性顔料インクを採用しているため、書いた文字が乾きやすく、手や紙を汚しにくいのも嬉しいポイントです。
暑中見舞いはもちろん、年賀状や慶弔の表書きなど、一年を通して活躍する一本です。


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文具クワウチが販売するくれ竹 筆ペン「二本立かぶら」細字太字両用 インクジェット紙対応(QDDF150-55B)です。
  • 裏書き

暑中見舞いの本文(裏書)は読みやすさと温かみのある文字が大切です。万年筆やガラスペンも魅力的ですが、初めて書く方や書き慣れていない方には、インクが滲みにくく扱いやすい筆記具がおすすめです。

文具クワウチがおすすめするのは、パイロットエターリンク。アクロインキならではの軽い書き心地で、筆圧をかけなくてもスラスラと書けるため、暑中見舞いの本文でも手が疲れにくく最適です。
細すぎず太すぎないので文字のバランスがとりやすく、はがきの限られたスペースにも美しく収まります。

文具クワウチが販売するパイロット 油性ボールペン エターリンク 0.7mm ブラックブラッドオレンジ全体像です。

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【店舗情報】

執筆者:文具クワウチ 筆耕士 桑内彩
大阪府高槻市高槻町15‐24/ JR高槻駅・阪急高槻市駅の間)
昭和5年創業。高槻センター街で文具専門店として、手書きの道具や紙を通じて「心を届ける時間」を提案しています。
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